🍀🌿
現役保育士ママの「ほっとする話」
子育て・暮らし・お金を、もっとラクに、もっと安心に。
保育士の知恵

【偏食は育て方のせいじゃない】調理師×保育士ママが伝えたいこと

🔄 2026-08-07 🏷 偏食, 食事

 

こんにちは、なごいかなです。
保育士歴10年以上、3兄弟ママです。
保育園の給食室で、調理師として働いていた時期もあります。

 

せっかくごはんを作ったのに、見向きもしてくれない。
一口食べたと思ったら、あとはお皿に残ったまま。
「せめてもう少し食べて」と声をかけても、口をぜんぜん開かない。

 

そんな毎日が続くと、「私の料理、美味しくないのかな」「育て方が悪いのかな」って、自分を責めたくなりませんか。
「しつけがなってないと思われてるのかな」と、まわりの目まで気になってきませんか。

 

手をつけてもらえなかった食事を前に、うつむいているお母さん

 

給食室では、毎日たくさんの子どもたちの食事を作っていました。
そのあと保育補助を経て、今は保育士として現場に立ち、子どもたちの給食の介助もしています。
二つの立場から子どもの食事を見てきて、ママたちに伝えたいことがあります。
それは、「偏食は、育て方の問題じゃない」ということ。

 

給食室で見てきた「食べない子」たちのリアル

 

給食室にいたころ、若手の保育士から相談を受けました。
「1歳児のAちゃん、白いご飯しか食べないんです…」
聞けば、同じ机で食事をしている子どもたちは完食。でも、Aちゃんはスプーンにも手を伸ばしません。かろうじて白いご飯だけは食べる程度。
その白いご飯ですら、他のおかずがくっついていたり、タレがこぼれただけで拒否してしまうとのことでした。
お家でも同じ。白ご飯のみ。
ママが心配して、子どもに野菜を洗ってもらったりして一緒に料理をしてみたり、別のものを作ってみたり。子どもが食に興味を持ってくれるように試行錯誤しますが、まったく効果なし。
Aちゃんは相変わらず白いご飯とおやつしか食べませんでした。

 

3歳児のBちゃんは、家では食べるけれど保育園では全く食べようとしませんでした。
給食時間になると固く口を閉ざして、スプーンにもお箸にも手をつけません。
お茶は飲んで、おやつは食べてくれるので、保護者と相談してしばらくそのまま様子を見ることに。

 

2歳児のCくんは口に入れるものの、ぺっと出してしまうタイプ。
お家では食べているとのことですが、園の給食は残しがちでした。

 

調理師として、最初は「味付けが合わなかったかな」「もう少し細かく切ったら食べるかな」と、試行錯誤していました。

 

そんなふうに多くの子どもたちの食事を見ているうちに気づいたんです。
食べない理由は、味だけじゃない。
食感が苦手、匂いが気になる、初めて見る形に警戒している、具材が大きすぎて噛むのがしんどい、その日の気分やお腹の空き具合…理由は子どもの数だけあります。
家庭での育て方とは関係のない理由が多いのです。

 

偏食は性格であって、育て方の結果じゃない

 

保育士になってからは、もっとはっきり分かるようになりました。
同じ家庭で育ったきょうだいでも、食の好みはまったく違います。

 

先に出てきたAちゃんにはその後妹が生まれました。同じ食卓を囲んで、同じ献立を食べています。3歳になったAちゃんが食べるのは相変わらず白いご飯だけでしたが、1歳になった妹は他のおかずも食べます。
そんなAちゃんも4歳、5歳、と成長するにつれて、食べることのできる食材が増えました。卒園する頃には牛乳も、みそ汁も、肉も、魚も、野菜も。なんでも食べられるようになっていました。
本人は食べなかった頃のことはすっかり忘れていますが、保護者と私たちの想像では、幼い頃のAちゃんは「食感と匂いに敏感」だったのだと思います。成長するにつれて少しずつ敏感さが緩和されたようです。
同じ食卓、同じ育て方をしていても、これだけ差が出ます。

 

Bちゃんは、ある日お家からお弁当箱を持ってきてもらうことにしました。
給食をお弁当箱に詰めて出してみたところ、「お母さんのお弁当美味しい〜」とパクパク。全て完食しました。
1〜2週間お弁当箱作戦を続けたあとにみんなと同じ食器にしてみると、これまでの様子はどこへやら。完食できるようになっていました。
実はBちゃん。転園してきて間もなかったのです。新しい環境が始まって期間が経っていなかったこともあって、緊張と警戒から食べなかったのだろうと思います。それが、お家で使っている馴染みのあるお弁当が出てきたことで安心感がわいてきたのでしょう。
そしてお弁当を食べるうちに、みんなと同じおかずだと分かってきたのかもしれません。少しずつ、園の食器でも安心して食事ができるようになりました。

 

Cくんは、食材を細かくして柔らかくすると食べることが出来ました。
聞いてみると、Cくんのお家では下の子に合わせていつもクタクタに煮たお料理ばかりだったのだとか。
「噛む」ことに慣れていなくて「噛んで飲み込む」ことに時間がかかっていたようです。
そして噛んでいるうちに疲れてしまい、さらに満腹感も出てきて園の給食を残しがちだったと分かりました。

 

でもこれ、責められることではまったくありません。
下の子に合わせて柔らかく煮るのは、どのご家庭でもごく自然なことです。
「悪いこと」ではなく、気づけば今日から変えられること。
実際にCくんも、少しずつ噛む練習を重ねて、食べられる量が増えていきました。

 

きょうだいがいるご家庭だと、「同じように育てているのに、なんでこうも違うの」と感じたことがある方も多いはず。
その差は、育て方の良し悪しではありません。食への興味の持ち方や、生まれ持った感覚の違い、そのときの環境によるものが多いんです。
味覚や食感の感じ方には個人差があると言われています。決して珍しいことでも、親のせいでもありません。

 

家庭でできる、無理をしない工夫

 

とはいえ、毎日の食事のこととなると「じゃあどうすればいいの」と思いますよね。
給食室と保育士、両方の経験から、私がやっていることを紹介します。

 

・一口だけ挑戦できたら、それだけで十分。子どもの挑戦を認める
・苦手な食材は形や切り方を変えて、少しずつ食事に出し続けてみる
・「食べさせる」より「一緒に食べて楽しい雰囲気を作る」を優先する

 

無理に完食を目指さなくて大丈夫です。
食事の雰囲気がピリピリしていると、それだけで食欲は落ちてしまいます。
「今日は食べなかったな」で終わらせず、また別の日に、同じ食材を違う形で出してみる。
保育園でも同じです。同じ食材が違う形、見た目、調理法で何度も出てきます。
何度も出てくるし、周りが美味しそうに食べている。そんなに美味しそうなら一口挑戦してみようかな。
そんなふうに、毎回の積み重ねがいつか一口につながり、食べられる日につながります。

 

もしも、体重の増え方や成長の様子が心配なときは、一人で抱え込まず、かかりつけの小児科や自治体の栄養相談を頼ってくださいね。

 

「食べない」は、あなたのせいじゃない

 

毎日の食事で「また残された」とため息をつく気持ち、痛いほど分かります。
それでも、偏食は育て方の結果じゃありません。
子どもがそれぞれ違う感覚を持って生まれてきているだけなんです。

 

今日は残しちゃっても、それはあなたのせいではありません。
気負わず、また明日の食事で、少しずつ試していきましょう。

 

あなたとお子さんが、少しでも楽しい気持ちで食事できますように。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

← 記事一覧にもどる