【イヤイヤ期の声かけ】保育士が使う「選択肢2つ」で「イヤ!」が減る
こんにちは、なごいかなです。
保育士歴10年以上、3兄弟ママです。
「イヤ!」
朝の着替えで「イヤ」。
靴を履くときも「イヤ」。
公園から帰るときは、地面に寝転んで「イヤァァァ!!」
一日に何回「イヤ」を聞いているんだろう。
数えるのも疲れてくるくらい、イヤイヤを聞く日って、ありませんか?
私も次男のイヤイヤ期のとき、心底疲れていました。
3兄弟の中で自我が一番強かった次男。思い通りにならないときは「イヤー!!」の絶叫でした。ご近所から虐待を疑われて通報されるんじゃないかと、心配になるくらいイヤイヤしていました。
ある朝のこと。保育園に行く前に靴下を履かせようとしただけで、大泣き。なんとか支度して玄関の扉を閉めたものの、そこから一歩も動かない。
時計を見たら、出勤へのタイムリミットが刻一刻と迫っている。
「もう、お願いだからせめて自転車までは行って…!」
半分イライラ、半分泣きそうな気持ちを堪えながら声を掛けても、次男はわめきながら床にひっくり返ったまま。
「もう、勝手にして!!」堪忍袋の緒が切れて、むりやり自転車までひっぱって連れていきました。
振り返ってみたらあの当時は気持ちにも時間にもゆとりがありませんでした。分刻みのスケジュールに毎日追われて、予定通りに進まないと焦って感情的になりやすかったんだと思います。
その後保育士についての勉強をして資格を取り、今は働き方を変えました。
現役保育士として現場に立つようになって、気づくことがあります。
家ではイヤイヤの子が、園ではすんなり動く理由
昔は自分の子供だけしか見えていませんでした。でも園で働きはじめるとたくさんの子どもたちに出会います。
静かな子。
やんちゃな子。
恥ずかしがりやな子。
ずっとおしゃべりしている子。
こだわりの強い子。
タイプはさまざまです。
ただ一つ共通しているのは「クラスの子はみんな同じ学年」ということ。月齢の差や個人差はあるけれど、みんな、あのころの次男と同じ年ごろです。
お家の人の連絡帳をみれば「イヤイヤがひどくて夜ご飯食べてくれませんでした」「帰るときもずっとイヤイヤで歩いてくれませんでした」
かつての私とおなじ境遇なのが、伝わってきます。
そんな、お家ではイヤイヤしている子どもたち。
実は園では、意外なほどすんなり動いてくれるんです。
もちろんイヤイヤはします。でも、家とはぜんぜん違う姿を見せます。
「なぜだろう?」「保育園には魔法があるの?」
保育士になりたての頃はそれが不思議で仕方ありませんでした。でも大先輩の関わりを間近で見たり、自分でも経験を重ねたりするうちに、分かってきました。
種明かしをすると、魔法でも何でもありません。ちょっとした声掛けの工夫でした。
保育士が使う「選択肢2つ」の声かけ
保育士になりたてだった頃、先輩がこんな風に声をかけているのを見ました。
「くつ下、赤にする?青にする?」
「履く?履かない?」ではなく、「どっちにする?」。
たったこれだけで、さっきまでイヤイヤして聞く耳を持たなかった子が、意外なほどすんなり動き出す。そんな瞬間を、何度も見てきました。
「靴下がイヤ」じゃない。「自分で決めたい」だけ
イヤイヤ期の子どもは、ママを困らせたいわけでも、靴下を履きたくないわけでもないんです。
本当は「自分で決めたい」だけ。
「自分で決めたい」
なのに大人からは「〜しなさい」「〜する時間だよ」と、指示ばかり飛んでくる。
その反発が「イヤ」という一言にまとまって出てくる、というのが現場の肌感覚です。
自分の気持ちを表したくて、持っている言葉の中から引っ張り出してきたのが「イヤ」なんですね。
イヤイヤ期は"自我が芽生える大切な時期"。保育の世界でも、この時期の「イヤ」は成長のサインと言われています。
だからこそ、"自分で決める決定権"を子どもに渡してあげる。
そうすると、すっと力が抜けることがあるんです。
ここでポイントになるのが、選択肢はどちらを選んでも結果は同じになるようにしておくこと。
・くつ下は「赤」か「青」、どちらでも履いてくれればOK
・着替えは「自分で着る」か「大人がお手伝いしながら一緒に着る」、どちらでも進めばOK
・帰り道は「自分で歩く」か「手をつないで歩く(もしくは抱っこ)」、どちらでも帰れればOK
選ばせているようで、実は大人がゴールを決めている。
ちょっとずるいと思うかもしれません。でも、これが現場で回っている理由のひとつです😊
もちろん、毎回うまくいくわけではありません。
「靴下、赤と青どっちにする?」と聞いても「どっちもイヤーッ」と返ってきて、内心「せっかく考えたのに!」とズッコケたことも一度や二度ではありません。
「自分で着る」と選んだのに、うまくできないのがもどかしくて「いやっできないっ」と着替えを手にした瞬間ひっくり返って大泣き。
そんなこともしょっちゅうです。
それでも、「自分が選んだ」という事実は、子どもの中に少しずつ積み重なっていきます。積み重なって、いつか腑に落ちていく。
それが、現場で経験してきた私の実感です。
選んでも泣く日、できない日があってもいい
選択肢を出しても、両方とも「イヤ」と返ってくる日もあります。
そんなときは、選択肢を変えるより先に、一度「イヤなんだね」と気持ちだけ受け止めます。
解決しようとしなくて、いいんです。
ただ「イヤなんだね」の一言があるだけで、子どもの中の「分かってもらえた」が育っていきます。
それから少し時間を置いて、また同じように聞いてみる。少し時間を置くだけで気持ちが切り替わることもあります。
それでもダメなら、今日はもう無理強いしない日にしてしまう。
くつ下なしでくつを履いちゃう日があっても、大丈夫です。
うまくいかなかった日を、責めなくて大丈夫。
イヤイヤ期は、その子が「自分」を育てている真っ最中の時期です。
むしろ「イヤ」がしっかり言えているのは、ちゃんと「自分」が育っている証拠。
今日、選択肢をひとつ出してみて、うまくいかなくても。
あとで、また同じように聞いてみる。
それだけで十分です。
子どもはいつまでもイヤイヤっていいません。
「今日」の子どもは「明日」と同じじゃないんです。少しずつ、でも確実に成長していきます。
あなたとお子さんの毎日が、「イヤ」の数だけじゃなく、笑った回数でも数えられますように。
最後まで読んでいただきありがとうございました。